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科学班の恋【D.Gray-man】

第66章 アジア支部



アジア支部に到着してから早三日。
未だに私とリーバー班長は、その場に滞在していた。

理由は二つ。
班長の休息と私の仕事の為。

いくら任務目的である神田の六幻の検査が終わったからって、トンボ帰りなんてさせたら班長が満足に休めないから。
初日に班長が寝ている間、こっそりバク支部長に頭を下げに行って滞在猶予を貰った。
コムイ室長にも連絡を取れば、私の仕事も考慮してくれたのかあっさりと了承してくれた。

そんな私の仕事は、



「ズゥろうし。このはものは、どういうみかたをすればいいんですか?」

「うむ。これは…」



ズゥ老師の元でその腕前を学ぶこと。
私は私なりにできることを頑張ろうって、そう思ったから。
少しでもその目利きを学ぼうと丸三日間、私はずっとズゥ老師の傍に齧り付いて勉強していた。



「南の奴、仕事の鬼みたいになってんなー」

「それだけ真面目な奴だからな」

「そういうお前もだろ。なんだその書類の束」

「ああ、いや。じっとしてるのは性分じゃねぇし、何か手伝えるかって聞いたら言語訳の書類を貰って…」

「あ!またはんちょうしごとしてる!」



一生懸命メモを取っていると、聞こえてきたジジさんと班長の引っ掛かる会話。
目を向ければ、いつの間にか大量の書類が置かれた机を前に仕事する班長が見えて、慌てて駆け寄った。



「だめっていったでしょう!はんちょうのにんむはわたしのどうこうなんですからっ」

「ああ、だから傍にいるだろ?その間少し書類処理するくらい───」

「はんちょうはいっつも"すこし"が"すこし"じゃないんですっ。それ、ほんぶでしょりしてるしょるいのりょうとかわりませんからっ」

「だけどな、南。久しぶりにアジア支部に来たんだし。俺にできることがあるなら手伝いたいというか…」

「それは"てつだい"のはんいをこえてますっ」



苦笑して言い訳する班長の言葉を、片っ端から否定していく。
これだけ強く言わないと、仕事中毒者な班長を止めることはできない。

本当に、すぐ目を離したら仕事するんだからっ
周りも周りで、班長ができる人だからって安易に仕事を頼み過ぎな気がする。

この人は、今はオフなんですっ

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