第63章 葛藤と決断
「早く食えよ、飯が冷めるぞ」
「おいって。聞けよ、リーバーっ」
「煩い。どうせ俺は仕事しか知らない馬鹿人間だよ」
「お前、ヘソ曲げんなって。どこの餓鬼だよ」
煩ぇな、構うなよ。
視線は食ってる飯に向けたまま突っ撥ねれば、目の前のジジから溜息が聞こえた。
「はぁ…お前をそんなふうに振り回せる奴がいるとはなぁ…南はとんだ大物だな」
変なこと言うな。
「ったく!とにかく、俺が言えることは一つだけだ。つーか、ハナから言ってんだろ」
ジジが持っていたフォークを、俺の皿に突き刺す。
思わず顔を上げれば、呆れ顔のそいつが見えた。
「大事ならちゃんと捕まえてろ。後悔して後でうじうじ言うくらいならな」
「………」
「男だろーがッ」
「………」
「……おい、なんだよその沈黙は」
「…………ジジ、なんか親父臭い」
「うるせ!」