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科学班の恋【D.Gray-man】

第55章 ゲーム開始



「どうしよう…」



トボトボと広い船内を歩く。
幾人の人とすれ違ったけど、やっぱりその中にロードの姿は見当たらない。
本当に隠れてるのかな。
そしたら捜してあげないと…放置なんてしちゃ駄目だよね…。
でも私とロードしかいないのに、鬼役もやって隠れるとか。
原理的に無理だから。



「あ。もしかして、ロードにつかまるまえにみつけるのがルール?」



成程。
少し大変だろうけど、それならロードからこっちに近付いてくれそうだし。
見つけられるかも───



「って、なにまじめにあそんでんだろ、わたし」



思わず真剣になってた自分に、頭を抱える。



「かってにあそんでたら、はんちょうたちしんぱいするだろうな…」



何より急に逸れた私のことを、神田は怒ってるかもしれない。
やっぱり一度、皆の所に戻らないと。
そう決心して頷く。
ロードを放置はできないけど、皆にも心配はかけられない。
とりあえず目指すは、自分達が借りてる部屋。



「…で、ここどこだろ」



あまりに大きな客船だから、全部似たような廊下。
…とりあえず現在地確認からしないと。



「すみません、あの」



廊下に貼られてる地図を確認しようにも、背丈が足りないからよく見えない。
仕方なく近くの船員さんに声をかける。
この姿なら親切に教えてくれるだろうし。

…そう思ったんだけど。



「あの、すみません…?」



最初の声は、無視されてしまった。
聞こえなかったのか、もう一度声をかける。



「………」



またも無反応。



「すみませんっあの…!」



もう一度、今度ははっきりと声を大きく呼びかける。
なのに。



「な…なんで…?」



目の前の船員さんは、まるで私が見えていないかのように全くの無反応だった。



…え、これイジメ?






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