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科学班の恋【D.Gray-man】

第52章 1/1元旦(番外編)


リーバーside










「今日は流石に休みだ。帰って日頃の疲れを取って来い」

「え?いいんですか?」

「ああ。俺もこれ終わったら、今日は休むから」

「じゃあ…お言葉に甘えて。ありがとうございます、班長。良いお年を」

「そっちもな」



頭を下げて出ていくハスキンを見送って、一息つく。
今日は元旦。
この日くらい、皆を休みにしたって罰は当たらないだろ。
…まぁ、昨日の夜中からほぼ休み同然だったけどな。






"あけましておめでとうございます、班長"

"ああ、おめでとう"






年明けだなんだと、酒を酌み交わしながら騒ぐ科学班の皆の中。
意の一番に南とそう言葉を交わせたのは、地味に俺にとって嬉しいことだった。
特別な日に特別な人と、特別な言葉を交わしてみたい。
それくらい思う気持ちは、どうやら俺の中にあったらしい。



「ん?コーラ切れてんのか…」



誰もいない研究室で、空になったコップをひっくり返す。
予備の缶は何処だったっけな…。



「ああ、そういや外の───……何してんだ、ラビ」

「…へ?」



外に在庫分の飲み物の荷物が届いていたのを思い出して、研究所のドアを開ける。
途端、目に入ってきたのは明るい髪色。
俺と然程変わらない身長なのに、研究室のドアの横に座り込んで項垂れている姿は、どうにも大きな子供のようだった。



「リーバーはんちょ…?なんで此処にいるんさ…科学班の皆は食堂に──」

「ああ、ちょっとだけ片したい仕事が残ってたからな」

「…こんな時まで仕事中毒なってんなさ…」



ほっとけ。



「で、どうしたんだ。こんな所で」

「…別に」



視線を合わせるように屈めば、ふいと顔を逸らされる。



「悪かったさ、仕事の邪魔して。別んとこ行くから」

「待て待て。別に邪魔になってないし、そんな状態なのに放っとけないだろ」



一人になりたくて此処に来たのかもしれないが、こんなに凹んでる状態のラビを黙って見過ごせない。
腕を掴んで止めれば、恨めしそうな目が向いた。

なんだ?

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