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科学班の恋【D.Gray-man】

第51章 12/25Xmas(番外編)



「はー…まさかとは思ったけど…やっぱり迷子になってたんだね…」

「え、なんで…」



駆け寄った南さんが、肩で息をつきながら苦笑する。
なんでわかったんだろう。
今朝会ったばかりだし、僕が教団で迷子中なんてこと知る由もないはずなのに。



「ティムを返しに部屋に行ったら、いないし。ティムがどこか慌ててたから、もしかしたらって」

「ティムが?」



そういえば、科学班で主にゴーレム関連の処理を担当してたのは南さんだったような…。



「もう、教団で迷子なんて。アレンらしいというか」

「…すみません」

「ううん、大きな建物だしね。私も初めて来た時は迷ったことあるから。仕方ないよ」



恥ずかしくなって俯けば、南さんは気にした様子なく明るく笑ってくれた。



「それじゃあ、戻ろっか。道案内してあげるから」

「お願いします」



女性に頼りきりなんて、なんだか情けないけど…こればかりは仕方ない。
頭を下げて頼めば、南さんはまた明るく笑って頷いてくれた。

その顔は今朝見た時と同じ、どこか疲れが残ってるような気がする。
今日一日、仕事漬けだったのかな…。
そう思うと心配になった。



「南さん、朝からずっと仕事してたんですか?」

「ああ、うん。まぁね。でも急ぎの仕事はほぼ処理したから、比較的のんびりできたよ」

「ならいいですけど…ティムはいつでも貸せますから。僕の仕事は余裕ある時にして下さいね」

「うん、ありがとう」



暗い廊下を、二人並んで歩く。
僕の肩に乗っていたティムは小さな手と足でよじよじと彷徨いて遊んでいたかと思えば、いつの間にか南さんの頭の上で寛いでる。
何度か仕事でティムを貸しているからかもしれないけど、ティムって南さんのこと好いてる気がする。

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