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科学班の恋【D.Gray-man】

第51章 12/25Xmas(番外編)



「さぁ、今日はクリスマスよーん!沢山ご馳走作ったから、好きなだけ食べてってねん♡」

「うわぁ…!此処パラダイスですか…!」

「すげー…朝飯レベルじゃねぇさ…」



食堂に入ると、其処は正に楽園だった。
いつもは受付で好きな料理を頼むけど、今日は食堂のど真ん中にバイキング形式の料理が所狭しと並んでいる。
ローストチキンは当たり前、色んな国の料理が並ぶ中で色とりどりのケーキも見える。



「じゃあ早速!」

「待てアレン、それ切り分けてあるから。ケーキをホールで取るなっての!」

「え?でも好きなだけ取っていいんでしょ?バイキングって」

「…それ全部食うつもりかよ」

「許されるなら」



寧ろ此処に置いてある料理全部食べ尽くしたい。
頷けばラビは青い顔をして、でもジェリーさんはにこにこと笑ってくれた。



「おかわりはいくらでもあるから、好きなだけ食べなさいな♪」

「本当ですか…!」



ジェリーさんがまるで天使に見える。
クリスマスだなんて行事に拘るつもりはないけど、こんなご馳走が食べられるなら毎日がクリスマスでもいいと思う。



………あ。

駄目だやっぱり。



だってその日は、






"僕らはいつも一緒ですよ、アレン"






何よりも、大切な日だから。



12月25日。

初めて、"アレン"という名前を貰って。
初めて、"家族"と呼べる者ができた。

自分の誕生日なんて知らないから、代わりにその日を誕生日として。
あの時はお祝いしたっけ。

───マナと。



そんな大事な日を、毎日の行事にはできない。
やっぱりクリスマスは、年に一度だけでいい。



「やっぱアレンは食い気さな…」

「僕は食い気でいいですよ。美味しいご飯をお腹いっぱい食べられるなら、幸せです」



呼ばれる名前も呼んでくれる人も、何も誰もなかった幼い頃。
日々生きるのに精一杯で、誰かに優しくなんてできなかった。
いつも悪態ついてるような口の悪い子供で、サーカスの雑用をしながら過ごす日々は大変だった。
いつもお腹は空いていて、ひもじい思いをしてたっけ。
そんな日々を知っているから、お腹いっぱい食べられる幸せを噛み締められる。

だから僕は、それでいいです。






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