第6章 俺の職場。
「ちょっと、邪魔なんですけど。肩が重い」
「んー、よく見えねぇからさー」
「そんなにこのゴーレム気に入ってたの?残念だけど、新しいの手配になるから。ラビは神田と鍛錬の続きでもやってきたら」
「冗談。あんなのにずっと付き合ってたら、命が幾つあっても足りねぇよ」
「仲良いっスよねー、あの二人」
「…ああ、」
南の肩に横から顎を乗せて、デスクを覗き込むラビ。
ジョニーの言葉に、とりあえず生返事をする。
俺もそう思ってた。
つい先日までは。
でもラビの南に向ける気持ちを知ってからは…なんでなのか、気になってしまう。
……あれか?
妹を取られる兄みたいな気持ちというか…これか、室長がリナリーに感じてんのは。
だったらあれ程、リナリーに結婚は駄目だとか叫んで暴れる気持ちもわからなくも………ない訳じゃないけど、流石にやり過ぎだろ。
あのシスコンは。
大体俺に妹なんていねぇし、そんな気持ちなんてわからない。
でも、見ていて良い気分ではなかった。
「ああ、もう。とりあえず今は私のゴーレム貸しておくから。ほら、行った行った」
「あ、じゃあこれでいいや。これくんね?」
「え?でもエクソシスト用じゃないから、耐久性だって低いし…」
「大丈夫、今度は下手して壊さねーようにするから」
南のゴーレムを手に、満足気に笑うラビ。
その真意が今はわかるから、複雑な気分だった。
というか、なんとなくいけ好かない。