• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第6章 俺の職場。



「でも中身の引き継ぎが───…って、ちょっと!」

「いいって。中のデータなら、前の任務で全部コムイに渡したし。じゃな、」



南のゴーレムを貰った途端、あっさりと引き下がる。



「…ラビ。データの引き継ぎはしとけよ。戦場で不具合が出たら困るだろ」

「大丈夫さ。そんくらいで死ぬようなタマじゃねぇし」



そんな去り際のラビに声をかける。
これは科学班としての忠告。

なのに。



「それに…ちゃんと、大事にすっから」



ゴーレムを口元に当てて笑った、ラビの一瞬の表情。
俺にしか見えなかったそれは、よくラビが見せる砕けた笑みじゃなかった。

どこか好戦的な、戦場で見せるような笑み。
それはゴーレムのことじゃなく、まるで南自身に向けた言葉のように思えて俺は眉を潜めた。

なんで俺にそういうことを言うんだ。
俺が南の上司だからか?
…俺はあいつの身内じゃないぞ。



「…何やってんだ、俺は」



結局それ以上何も言えないまま、ラビを黙って見送る結果となった。
そうして誰にも見えないところでこっそり溜息をつく。

相手は未成年の青年なのに。
いちいち反応し過ぎだろ…俺は。
大人げない。









/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp