第6章 俺の職場。
「南ー♪」
「あれ、ラビ」
するとタイミング良くと言うべきか悪くと言うべきか。
ひょっこりと、ラビが科学班の研究室に顔を覗かせた。
「オレのゴーレムが壊れちまったんさ。直してくんね?」
「また?同じこと、数ヶ月前にも言われた気がするけど…」
「いやー今度はユウと鍛錬してたら、間違ってぶつかっちまってさぁ」
「うわ、綺麗に真っ二つ…」
「犯人はユウな♪」
まるで其処が当たり前の定位置みたいに、南のデスク傍に引っ張ってきた椅子を並べて座る。
早速とラビの蝙蝠型の通信ゴーレムを受け取って、見ている南を横から覗き込んで…。
………近過ぎやしねぇか、あれ。
「あちゃあ…これもう駄目だ。新しいの作んないと」
「直らないんさ?」
「多分ねー…。もう、ゴーレムの備品は経費落ちだけど、安くないんだから」
「んなケチ臭いこと言わないでさー」
「もう少し大切に扱って下さいって、そう言ってんの」
綺麗に切断されたゴーレムの側面を弄りながら言う南に、軽い様子で笑うラビ。
普段よく見掛けていた光景で、見慣れてたはずなのに…なんだか気になって仕方がない。
「リーバーはんちょー」
「ああ、」
ジョニーに呼ばれてはっとする。
駄目だな…今は仕事中だぞ、俺。