• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第39章 非遺伝的変異



「…頭、痛い」



ズキズキと頭の奥が鈍く痛む。
きっとこの頭痛の所為で、思考も変になってるんだろう。
結局薬を飲んでも、痛みは退かなかった。



「帰ろ…」



お風呂にも入りたいし、今度はゆっくりベッドで寝たい。
疲れた体を引き摺って、とりあえず研究室を後にした。



「いい加減、お酒は抜けてるよね…」



痛む頭を押さえたまま、直接教団内のお風呂場に向かう。
其処は個室のシャワー室も完備されてるし、先にそっちを使おう。
そう思い、大きな両開きのドアを潜った。



サァァ…



「ふぅ。生き返るー」



ベタベタしていた汗を、泡と一緒にシャワーで流す。
髪の毛も洗いながら、ふと思い出したのはリーバー班長の言葉。
髪を下ろせって…なんで、急にそんなこと言ったのかな…。



「クロス元帥の真似事じゃなかったし…」



そういうこと、ふざけて言う人じゃない。
でもどんなに考えても、結局わからず終い。



「…まぁ、いっか」



今日だけでいいって言ってたし。
明日は皆にからかわれずに済むかな。
そんなことを考えながら、シャワーを浴びていると。



───ズキ、



「…痛、」



鈍く、頭の奥が痛む。
思わず額を押さえて、壁に寄り掛かる。

なんだろう、本格的に痛み始めたみたい。
これは医務室に行った方がいいかな…。
……でも婦長さん怖いしな…。
どうしよう。



サァァ…



そんなことを考えながら、降り注ぐシャワー音だけを耳に。
もしかしたら、まだお酒は残ってるのかも。
そう結論付いた。
それならシャワーで頭痛が酷くなったのもわかるし、それなら湯船には浸からない方がいい。



「…とりあえず、寝よ」



キュ、と水栓を捻ってシャワーを止める。
頭痛は怪我じゃないし、医務室に行くまでもない。
明日起きてまだ痛んでいたら、薬を貰いに行けばいい。
そう考えて、ドアに掛けていたタオルを取ろうと体を捻った。



──瞬間、



「──っ?」



ぐらりと、まるで強い酔いに当てられたかのように。

視界が揺れた。



あ、これ。

前の飲み会で、お酒飲み過ぎて思考がシャットダウンした時と同じだ。



そう悟ると同時に、意識はふっと暗転した。









/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp