第38章 宴のあとに‐R.W‐
「ほら、前に班長が寝惚けて南を枕にしたでしょ。あんな感じで───……あ。」
軽い口調で話し掛けていたジョニーの口が、突如止まる。
「しまった…これ口止めされてたんだっけ。……あは。班長、今の聞かなかったことにして下さい」
そう慌てた様子もなく、取り繕うようにジョニーが笑う。
本人は大したことないと思っているんだろうが…生憎、俺にはそうじゃない。
「じゃあこの英訳、後でお願いします」
「…待て、」
書類を渡して去ろうとするその肩を、咄嗟に掴む。
「なんスか?」
「黙っておいてやるから…今の話、詳しく聞かせろ」
…まさかな。
あれは夢であって、現実じゃない。
あんな姿の南を、俺は知らない。
あんなこと……ないない。
あるわけない。
………まさか。