• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第5章 オレの宣戦布告。



「でさ───…」



楽しそうに話してた南の声が不意に止まる。
その視線の先には……ああ。



「じゃあ、後よろしく」

「はいっス」



同じ科学班のマービンに書類渡して、仕事の指示をしてるリーバーがいた。

あー…、本当。
想いを伝える気は更々ないけど、こういう南を見るとなぁ…。

胸はツキリと痛む。



「ん?南とラビか」



指示を終えてこっちを向いたリーバーが、オレ達に気付く。



「どうだった?羽伸ばして、疲れは取れたか?」

「あ、はい。お陰様で…明日からしっかり働けます」

「はは、そうか。でもあんまり頑張り過ぎるなよ」



笑って応えるリーバーの言葉に、南が笑みを返す。
その表情はさっきまで浮かべていた笑みとは違う。

ふわりと、つい見惚れてしまいそうな程に柔らかな笑顔。

オレだからわかるのか。
…やっぱりリーバーが好きなんだろうな、南は。

そう思うと、なんだか急につまらなくなった。
というかムカついた。



「南。さっきアレン達が食堂に見えたから、これ持ってってくれるさ?」

「え?あのお土産?」

「ああ。オレ、コムイんとこ寄らなきゃなんねぇからさ。頼む」

「わかった」



南が未成年組に土産買いたいって言ったから、食いもん好きなアレンとかに買ったデザートの箱を南に渡す。



「それじゃあ、失礼します」

「ああ」



リーバーに頭を下げて小走りに食堂に向かう南。
その背中を見送って、オレはその場から動かずに目の前のリーバーに視線を向けた。

コムイに用があるなんて嘘だ。
オレが残ったのは、リーバーに用があったから。

/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp