• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第37章 宴のあとに‐A.W‐



「そ、そうかな…あたたた」



アレンに肩を揺すられて頭痛が響いたのか、頭を押さえて南が唸る。



「あ、ごめんなさい…っ」

「ん…うん、大丈夫。……でも、一緒だったよ」



慌てて手を離すアレンに額を押さえつつ、それでも南は笑った。



「一緒?」

「うん。他の人が言えば軽くしか聞こえない台詞を、素敵に口にしちゃうところ。アレンと一緒だった」



酒の所為か。
いつもより柔らかい表情で、ふやっと微笑む。



「アレンと一緒で、女性を見る目をちゃんと持ってて。素敵だなぁって思ったよ」

「…っ、え、」



南のその言葉か、表情か。
どっちかわかんねぇけど、どうやらアレンには不意打ちだったらしく、唐突にその顔が赤く染まった。



「ぁ……ありがとう、ございます…」

「うん」

「でも、師匠と一緒なのは……少し、嫌です…」

「ふふ、うん。ごめんね」



赤い顔を隠すように、俯き加減にぽそぽそと呟く小さな声。
そんなアレンの言葉に、始終ふやふやと笑ったまま。
南は優しくまるで愛でるように、その白い頭を撫で続けた。
そんな二人を包む雰囲気はどことなく温かい。
だからなんとなく口を挟めなかった。

そんな二人の姿はまるで───



「なんか、姉弟みたいに見えるねー」

「ジョニー、それナイスさ」

「え?」



うん、姉弟さな、姉弟。
そういうことにしておこう。

/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp