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科学班の恋【D.Gray-man】

第36章 宴のあとに‐L‐



「はぁ…助かった。ありがとう、ラビ」

「…ん、」



酒の所為なのか、リーバーの所為なのか。
赤い顔のまま、多少乱れた服を正す。
そんな南の姿はやっぱりいけ好かない。

いくら職場の飲み会だからって…簡単に抱き枕なんてされんなよな。
それもリーバーに。






"寧ろ、感謝してるかな"






先日聞いた、リーバーの言葉を思い出す。
最初は全く意味がわかんなかった。
そのまま受け取れば、感謝ってことは嬉しいってこと。
オレのこと応援してくれてるのか。
でもそんな様子には全く見えなかったし。



「…もしかして、」



いくら泥酔してても部下を抱き込むような真似、早々しないはず。
付き合いは浅くないから、なんとなくわかる。

リーバーは、もしかしたら南のこと───



「もしかして?って何が?」

「っ…なんでもない」



きょとんと見上げてくる南の目とぶつかる。
危ね、聞こえる声で呟いてたんか。










「───よし、こんなもんかな」



潰れた科学班全員に毛布を掛けて、一段落ついたジョニーが、ふぅと息をつく。



「南はどうする?」

「私も此処に残るよ。朝、皆を起こさなきゃ」



毛布を被って座り込むジョニーは、どうやら此処で寝泊まる気らしい。
その横に同じように腰を落とす南には、流石に黙っていられなかった。



「残るって、此処にさ?」

「うん」



思わず問えば、当たり前だと言わんばかりの顔で頷く。
いやいや、うん。じゃねぇさ。



「南さん、女性なんですから。こんな所で就寝なんて駄目ですよ」



アレンの言う通り。
深夜の食堂なんて誰が通るかわからない。
そいつらに無防備な寝姿なんて、見せたら駄目だろ。
いくら職場でも南は女で、この教団は男ばかり。

…やっぱり、いまいち危機感が足りてねぇ。



「でも科学班の仮眠室の床で、雑魚寝なんてよくあるし。慣れてるから大丈夫だよ」

「定員オーバーだと、そうなるよねー。南、前にタップに潰されかけたことあったし」

「あれね、死ぬかと思いました」



そこ、和気藹々と話すなさ。
そんな聞き流せないこと。

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