第34章 みんなの宴
クロス元帥の手元の銃から、カランと落ちる空の銃弾。
咥えた煙草の煙をゆっくりと吐き出す動作は、余裕が見て取れていた。
「酒に罪はねぇだろ、無駄に壊すんじゃねぇよ。阿呆コムイ」
それと同時に、コムリンXからはプスプスと煙のようなものが上がって───…あ。
「あぁああぁ!!僕のコムリンXがーッ!!」
ガシャンッと力なく崩れ落ちた。
…流石クロス元帥。
たった一発の銃弾でコムリンXを再起不能にするなんて。
元帥がこの場にいてくれて、よかった。
「た、助かった…っ」
「流石元帥…!」
「ありがとうございます!!」
「喧しいから排除したまでだ。片付けは自分でしろよ」
周りに褒め称えられても興味なさそうに素っ気無く応えて、私の肩から離れる大きな手。
「あ、ありがとうございます…っ」
はっとして頭を下げれば、背中を向けたままひらりと一度手を振られた。
そのまま再び高級椅子に腰を落ち着かせる元帥。
「元帥の言う通りです。大体、仕事サボって押し付ける室長が悪いんスよ。これで俺らの苦労も少しはわかりましたか」
おいおいと残骸と化したコムリンXの前で泣く室長に、リーバー班長が歩み寄る。
「リーバーくん……だからって除け者は酷くないかい」
「じゃあちゃんと仕事しろって話です」
うん、班長の言う通り。