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科学班の恋【D.Gray-man】

第34章 みんなの宴



「ふーん、そうやって僕を除け者にするんだね。ふーん、そうかそうか」



白々しく頷きながら、くるりと背を向けるコムイ室長。
だから怖いですって。



「いいよ別に?それなら僕は寂しくお酒を飲むから。コムリンXと一緒に」

「…はい?」

「コムリン…X?」



聞いたことのない名前だけど一部は恐ろしく聞いたことのある単語に、思わず皆の顔がサァッと青くなる。

まさか。



「だからここのお酒全部、片付けちゃって」

『イエス、サー』



じゃこん、と何かを構えるような音。
機械のような無機質な声が、室長の命令に応える。

ま さ か。



「ちょっと待って室長…!」

「げぇっ!あの機械は…!」



それは初代コムリン程巨大な機械じゃなかった。
人型の、どちらかと言えばコムリンにしては小さな機械。
だけどその腕に付いている巨大な砲は、確認せずとも破壊力があることを充分に物語っている。

やっぱりあの問題破壊兵器出してきたよ…!!



ドドドドド!!!!



「ぎゃー!!」

「やばい、逃げろ!!」

「ああー!酒が…!」

「んなこと言ってる場合か!!」



容赦なく浴びせられる銃弾に、硝子の破片が飛び散る。
すっかり修羅場と化したその場に、逃げ惑う科学班の皆。



「危ね…ッげ、南!」

「わッと、と…っ!」



銃弾の圧で緩んだジジさんの腕から離れた体は、バランスを崩して思わず前のめりに転びそうになる。



「…たく。煩い野郎共の声だけでも、我慢してやってるってのに」



とん、と。
体を支えるように、大きな手が肩に触れた。
見上げれば、眉間に皺寄せて立つ大柄な体が目の前に。
その目は冷たくコムリンXを見据えていた。



「俺の晩酌を邪魔するな」



静かに元帥が構えたのは、重厚感ある大きな銃。
それが銃だと頭が確認するよりも早く、



ドンッ!!!



発せられた発砲音は、乱射される銃弾より重く大きく、騒音を掻き消した。

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