• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第34章 みんなの宴



「見た目だけに固執する奴は、そこまでの男だな」



クロス元帥のその言葉に、何故か唐突に浮かんだのはラビだった。
年上美女を見れば、すぐにストライク状態になってるし。

…あれ?
私、別に美人じゃないけど。
なんでラビは私に好意持ってくれたんだろう?
…謎だ。



「お前さんは…そうだな」



顎に手を当てて、ふむ、と私を見る元帥。
品定めするようなその目に、居心地が悪くて思わず俯く。

今まで元帥が関わってきた美女達と比べないで欲しいです。
アニタさんといい…中身でだって到底勝てないのに。
だけどそんな私にお構い無しに、不意に伸びてきた元帥の手が俯く私の顎に触れた。



「成長はまだまだだが、素質はまぁまぁだ。磨けば光る」



くいっと、流れる動作で易々と顎を持ち上げられる。
…ち、近…っ



「そうだな。10年経って独り身だったら…その時は俺が貰ってやろう」

「…はい?」



何を言ってるのか、一瞬わからなかった。
わからなかったけど。
間近にある元帥の顔がふっと笑って、艶のあるその表情に思わずドキリとした。



「あの、うちの部下にちょっかい出さないで下さい」



そんな状態のまま身動きができずにいると。
遠慮気味に、目の前に手が下りてきてクロス元帥との間を遮断した。



「なんだ、手ぇ出したらいけない条約でもあんのか」

「ないですけど…クロス元帥相手じゃ、不安にもなるでしょーが」



顔を上げてクロス元帥が身を退く。
遮断された手は、そのまま間に体を割り入れてくる。

…リーバー班長、あのクロス元帥と普通に喋ってる。
というか寧ろ注意してる。
凄いな…流石、此処で一番偉い室長をも殴り飛ばせる人。



「仕方ないな…今日は酌だけにしてやる」

「今日も、です。南、元帥だからって大人しく言うことなんでも聞いたら駄目だぞ。特にこの人は」

「はっはっはっ」



リーバー班長の忠告にも、気にする様子なく元帥は笑うだけ。
…この人、コムイ室長以上に掴めない人かもしれない…。






/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp