第27章 真相
真っ青な顔で喚く村長さんに、普段の面影はない。
なんでこうも取り乱すのか、クロル君に対して負い目みたいなものがあるのかもしれない。
「何、したんですか。その子に」
「ッ…私、じゃない」
苦悩するように言葉を吐き出しながら、それでも村長さんは首を横に振った。
「私じゃない、私は殺してない…ッ私の所為じゃ───…」
「AKUMAに殺らせたからだろ」
首を横に振り否定し続ける村長さんに、静かに重い言葉をかけたのはラビだった。
「南が見たもんが事実なら…その儀式を、AKUMAの手でやらせてたんだろ」
AKUMAに…やらせた?
「殺しだけ他にやらせて、知らん顔するなんてな。AKUMAよりタチ悪ィさ」
「そんな、まさか。…AKUMAと手を組んだってことですか?」
驚き、村長さんに問いかけるアレン。
アレンは優しいから。
きっと村長さん自身の口から聞くまでは、疑うつもりはないだろう。
「教えて下さい、本当のこと。ちゃんと聞きますから」
迷いなき真っ直ぐなアレンの言葉とその目に。
「ッ…仕方、なかったんだ…」
村長さんは、顔を歪ませ本音を吐き出した。