第27章 真相
「えと…本人からです。今朝、村で遊んでいる姿を見て」
「そんな馬鹿な。嘘を言わないで下さい」
「嘘じゃないです。その子から、この村の遊びを教えてもらったんですよ。駒鳥回りっていう、村長さんも言ってた民謡───」
「嘘を言わないで頂きたい!」
突然だった。
強い口調で、村長さんが言葉を遮ったのは。
「……その子供は何年も前に亡くなっています。体が弱く、病気で。…会えるはずないでしょう」
でももう次の言葉の時には、取り繕うように乾いた笑みを浮かべていた。
既に亡くなっている。
その事実を、なんとなしに私は受け入れていた。
だってあの時見えた光景は…あの子の、死ぬ瞬間だった。
「その子も言ってました。自分は体が弱いから。だから"駄目"と言われたって」
その意味はわからなかった。
「それって、どういう───」
「何故それを…」
「え?」
「っ仕方なかった。今更、私にどうしろと…ッ」
途端、村長さんは動揺の色を濃く表した。
「呪いに来たな。私を、呪いに来たんだろう…ッ!」
いきなり捲くし立てられて、困惑する。
「お、落ち着いて下さい。呪いなんて…」
「出たさ、南のホラーあるある」
「南さん…まさか幽霊と話したんですか?」
「って、ちょっとそこ!?」
わなわなと私を震える手で指差しながら、喚く村長さん。
彼だけならまだいい。
なんでそこのエクソシスト二人も、顔青くして私から離れようとしてるんですか!?
「地下で急に消えたりするしさ…あれにはビビった」
「えっ!?…南さん、足ついてますよね…?」
だ か ら。
幽霊を見るような目で、私を見ないで下さい。
「私は何も知らないし、その子の言葉をそのまま伝えただけですっ」
相手するのも面倒だから、二人を無視して村長さんに向き直る。
「その子、地下で言ってました。此処は寒くて寂しい。ひとりぼっちは嫌だって」
「だから私を迎えに来たと…!?」
「そんなこと言ってません」
いやいや、飛躍し過ぎだから。