第27章 真相
「ええ、二人共無事だったようです。ご協力ありがとうございました」
頭を下げるトマさん。
その先には息を切らして走ってきた、村長さんがいた。
「村長さんも、僕達と一緒に捜してくれたんですよ」
同じく礼を告げるアレンに、村長さんは優しい笑みを称えているだけ。
「ああ、よかった。貴方方は、例の屋敷で行方不明になったそうですが…大丈夫でしたか?」
優しく問いかけてくるその人の顔を、真正面から見据える。
…やっぱり、そうだ。
「はい、ご迷惑お掛けしました」
頭を下げて、礼を言う。
一緒に捜してくれたことは、素直にありがたいと思う。
けれど。
私はこの人に、聞かなきゃならないことがある。
「あの…村長さんに、お聞きしたいことがあるんですが…」
「はい?」
「…屋敷の下に、大きな空洞があったんです。迷路のような。村長さんは知ってましたか?」
恐る恐る問いかける。
じっと見てくる村長さんの表情からは、何も読み取れない。
「いえ。知りませんな」
静かに首を横に振る姿は、初日にファインダーを知らないと言った時と同じもの。
「───それ、ほんとさ?」
はっきりとした否定にどう聞くべきか考えあぐねていると、不意にラビの強い声が響いた。
「あの地下で、一匹のAKUMAに会ったんさ。そいつは頼まれて人を殺したって言った」
ラビが、私の抱えていた血の染み付いたマントを指差す。
「こいつのことも、頼まれて殺したってな」
「それ、は…っ」
トマさんの目がマントを映して見開く。
…ああ、やっぱり。
これは先に調査に出たファインダーの物だったんだ。
「あくま?なんの話ですか」
「AKUMAが出たんですかっ?」
驚くアレンを視線で制して、ラビの目は首を傾げる村長さんだけに向く。
片目しか見えないのに、それは鋭く威圧があった。
「殺した人間の首から下は、全部やったって言ってたさ。オレらと同じ"人間"にな」
遺体をあげた?
AKUMAが、人間に?