第27章 真相
「探知機?」
「そう。アレンの迷子防止用で作ったの。まだ試作品だけど、ジョニーが貸してくれて」
私が初任務だからか、良い意味でお節介な科学班の皆は色々な道具を貸してくれた。
身動きの取れない地下じゃ使えなかったけど、今なら使える。
昨日アレンの方向音痴さを身をもって知ったから、実はこっそりGPSなる物を付けてたんだよね。
ごめん、アレン。
「それ本当に使えるんさ?」
「何。その疑いの目は」
「だって科学班の作るもんって、変なもんばっかだからさー…」
がちゃがちゃと漁る鞄の中を覗き込んで、ラビが怪訝な表情をする。
まぁ確かにそこは否定しないけど…でも役立つものを作ろうと思って、やってるだけだから。
決して周りに迷惑かけたい訳じゃないから。
…コムイ室長以外は。
「これとか明らかに怪しいじゃん」
「あ、ちょっと。勝手に開けたら駄目っ」
小さな瓶を手に取るラビに、慌てて奪い返す。
知識のない人が扱えば悪影響が出兼ねない。
「なんさ、やっぱり怪しぶふぅっ!」
「わ!?」
それは一瞬だった。
黄色い閃光が夜空に走ったかと思うと、真っ直ぐにズドン!と物凄い勢いでぶつかった。
ラビの顔面に。
「~っ…!」
「な、何…っ大丈夫っ!?」
一体何事かと、顔面を抑えて蹲るラビに慌てて手を伸ばす。
と、ぺたりと私の目の前に黄色い何かが張り付いて。
「うわ!?何───……あっ」
思わずそれを振り払おうとして、パタパタと宙で飛ぶそれと目が合った。
いや、目はないんだけど。
感覚的に、というか。
「…ティム?」
其処にいたのは、アレンがいつも連れている金色のゴーレム。
名前はティムキャンピー。
私の顔に張り付いていたのは、ティムの金色の尾っぽ。
思わず手を伸ばせば、ぽちょんと小さな体は腕に乗った。
「南さん!」
同時に懐かしい声が耳に届く。
「無事でしたか!?」
バタバタと慌ててこっちに走ってくる、白い髪が月明かりに照らされて見える。
───アレンだ。