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科学班の恋【D.Gray-man】

第85章 そして ここから



「南が相手をしてくれるなら、喜んで俺の部屋に招くんだが」

「却下。さっさと行けよ飲兵衛元帥」

「ケツの青い餓鬼が喧しい」

「青くねぇさ!」



ふと思い立ったように足を止めて振り返るクロス元帥に、どう断りを入れるか考える暇もなく、隣ですぱんと誘いを断ち切ったのはラビだった。
口調は悪いけど笑っている元帥からは、苛立ちのようなものは感じない。
だからラビもずけずけ言い返せるんだろうけど…。
そうやって反発するから、ガキとか言われちゃうんだよ…気持ちは、わかるけど、ね。



「大丈夫だよ、ラビ。私は行かないから。それよりあっちの皆を見てなきゃ」

「どっちもどっちさ…飲兵衛なのは変わんねぇだろ」



あ、痛いとこ突かれた。

決起会だと騒ぐ科学班の皆を指差せば、ラビは変わらず眉間に皺を寄せたまま。
科学班の皆がお酒好きなのは、もう、うん、仕方ないと思う。
色んな意味でストレスの溜まる職場だからね。
お酒くらい、発散がてら飲ませてあげて。



「南だって同じだからな。あんまり羽目外し過ぎて潰れんなよ?」

「…気を付けます」



これでも割と自制して飲めてる方なんだけどな…。
リーバー班長一人に任せるのは申し訳ないから、なるべく私も酔い潰れないようにして後の悪酔いした仲間の介抱にあたったりしてるし。
それでもジジさんみたいな人に絡まれたりジョニーと美味しいお酒を見つけたら、翌日二日酔いになったりもしてるけど。

…うん、苦笑いしかできない。



「それくらい広い目で見られるようにならんと、お前はいつまで経ってもケツの青い餓鬼のままだぞ」

「元帥からすりゃ誰だって青いガキだろ」



それは、確かに。
年齢不詳な元帥が相手となれば、ラビの言うことも一理ある。

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