第22章 暗闇の中
「あの骨が行方不明者のもんなら、多分、村人じゃない余所者も入ってたんだろ」
「…でもなんで?他所と交流しない村なのに」
確かに辻褄が合わない。
俺達は"黒の教団"ってバックがあったから、村の中に入れたけど、一般人ならきっと追い返されるだけだ。
「わっかんねぇけど…村人だけじゃ物足りなくて、村に近付いた余所者も襲ってたのかもな。快楽殺人者みたいに」
「えぇー…」
呟けば、南の顔が嫌そうに歪む。
「やっぱりAKUMAの仕業なのかな…」
「でもわざわざ死体を隠すようなことAKUMAがするんさ?」
「わかんないけど…何か理由が───」
不意に言いかけた南の言葉が途切れる。
その目は、持っていた光を放つゴーレムに向けられて。
「わ、ちょ、ちょっと…っ」
チカチカと、細くなった光が心許なく途切れだす。
やべぇ、電池切れ?
「どうしよう、光が…っ」
「待っ…!」
わたわたと二人で慌てる。
その制止の声も虚しく、チカチカと弱い光を放つゴーレム。
やがてそれはぷつりと、唐突に光を消した。
「マジかよ…」
「最悪…」
真っ暗な地下は光がないと何も見えない。
傍にいる南の姿さえ確認できない状況で、オレ達は同時に唖然と溜息をついた。
状況は最悪だ。