• テキストサイズ

科学班の恋【D.Gray-man】

第20章 骸



「やっぱり生ゴミ捨て場だったんさ」

「こんなに山積みにされてちゃ不気味だよね…」



恐る恐る瓦礫を観察する。
家畜の骨だとしても、こんなに大量にあれば臆したりもする。
本当にラビの言う通り、村人の生ゴミ捨て場にでもなってるのかな。



「骨格的に牛や豚じゃねぇんだよな」

「…そんなことまでわかるの」

「一通り、色んな知識をジジイに叩き込まれたからな」



ブックマンの教育って凄いスパルタだったんだろうなぁ…。



「南はわかんねぇの?」

「生物学は専門外です」



骨を幾つか物色するラビをそのままに、私はその他を見て回ることにした。
あんなに大量の骨見てる方が不気味だから。

にしてもどこか腐った臭いがしていたのは、やっぱりこれが原因だったんだ。
…でも骨はどれも結構昔のものに見えるけど…。



「骨以外のゴミは服とか鞄とか、日用品ばかりみたい」



生ゴミ捨て場というよりゴミ捨て場なのかな。
そんなことを考えながらゴミを脇に寄せていると。



「あれ?」



見知った白い大きなマントを見つけた。
すぐにピンとくる。
これ、トマさんが着てるマントと同じ。
ファインダーを示す服だ。

ということは、もしかして。



「ラビ、これ。ファインダーさんの…っ」



ラビに知らせようとマントを引っ張る。
もしかしたら、連絡が途絶えたファインダーのものかもしれない。



「ッ──!」




瞬間、きつい腐臭が鼻を突いた。
何かが腐ったような酷い臭い。

その腐臭の原因はなんなのか。
考える前に、答えはすぐ目の前にあった。



「ひっ…」



思わず喉奥から小さな悲鳴が漏れる。



ファインダーのマントの下。

其処に転がっていたのは、真っ赤な血に濡れた骨の塊だったから。






/ 1387ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp