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科学班の恋【D.Gray-man】

第81章 そして誰もいなくなった



「フローリー・リンガー、フェデリコー・フラー、ギュスターブ・シンクレア、バルナベ・マルタン、アーシア・ツベエト、ジャンニ・プロシュンツォ、エンニコ・デ・マスカーニ、トマス・ブローディ、プライム・オートゥイユ、サミー・グリーンバーグ、アルヴァ・セーデルルンド、コンラート・トゥシェク、エヴァリスト・デュカス、フェルディナン・ペルリオーズ、リシャール・ヴェイエ、ロジュ・アルダン、セゴレーヌ・ガロア、アウグスト・ドルノ、オオナ・ボリーン」

「っ…おまえ"…」



朧気だが記憶にある。
もう自分の名前も覚えていないのに、どこか親しみを感じる亡き記憶の欠片。



「ティーラ・オーマン、インドラ・ダルストロム、レオナー・エイルマン、ユリアン・リンガー、ローレンス・ダイオン、エミール・デュマン、ヤコブス・クレス、スザン・ウンヴァ、リリー・シェンヌ、テオ・モーラス、キャリスタ・ヴェイユ、ユキ・ツキシロ、ゼリー・デスタン、ジュール・トーマス、ブルーノ・マイトナー、カール・シュミット、エクトル・グレフ」

「ガルルッ!」

「っ!や"めろ噛むな!」



コムイにとどめを刺そうと噛み付こうとしたクロウリーから、まるで庇うかのように。
亡霊は身を呈してコムイの体に覆い被さった。
それは今まで見せなかった、亡霊の初めての姿。



「アリス・エイルマン、ベネディッタ・ルノラータ、オディール・カルナップ、マチルダ・ケアホルム、ジョゼフィーヌ・シクラ、アボリーヌ・ルソー、ルイーズ・ニコラ・ルドゥー、ヴィルジニー・フラガ……………自分の名前を忘れたって言ったよね」

「おまえ"…まさか…」

「ルベリエ家の記録は僕でもまだ全て見れてないけど、それ以外の本部で行われた実験の記録は全部覚えてる…君がルベリエ家の子でなければ、今挙げた中に君の名前があるはずだ」



憎々しげに歪んでいたリナリーの顔が、驚きで固まる。



「それとも…"全員"が集まって"君"なのかな?」



床に押さえ付けていた手が力を失くす。
弱まる束縛に、どうにか上半身を持ち上げたコムイが優しく問い掛ける。



「…っ…」



亡霊の口元が震えた。

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