第18章 地下へ
「それより此処から出ないと。ラビの鉄槌使えば、上がれるかな」
「狭いけど、まぁなんとか…」
狭い通路は剥き出しの岩場が長く上に続いていて、生身ではどうにも登れそうにない。
立ち上がって、ぱんぱんと汚れた服を払う。
腰のホルダーに手をかけて上を見上げていたラビが、不意にその動きを止めた。
「………」
「……?」
何固まってんの。
「どうしたの?」
呼んでも応えることなく、上を見た姿勢のままラビの手が腰の辺りを彷徨う。
そして今度は、辺りをきょろきょろと見渡しだした。
…嫌な予感。
「ラビ、まさか…」
恐る恐る呼べば、ゆっくりと振り返るラビ。
その顔はダラダラと無数の汗を流していて。
「………槌、どっかに落としちった」
引き攣った笑みを浮かべ、そう言った。
……ああ、本当。
勘弁して下さい。