第2章 俺が消してあげるから(ユーリ夢)※裏
後ろからアラン様が呼ぶが、届かなかった
はぁ…と渋い顔でため息をついたあと
「後は頼むわ。…俺よりお前の方が良いだろうから」
そう言って踵を返し、また正面からアラン様が出て行くのを尻目に俺はマチ様を追いかけた
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トントン
ガチャ…
「…マチ様、入るよ」
意外にも鍵はかかってなかった
薄暗い部屋の中にいる気配はなく、微かにバスルームから音がした
バスルームのドアを開けると、バスタブの周りのカーテンが閉められてその向こう側に人影があった
「マチ様」
名前を呼べば微かに人影が動き啜り泣く声が聞こえた
「……っ、ユーリぃ…」
近づいてカーテン越しに話掛ける
「…何か、俺にできることある?」
そう尋ねると、ゆっくりとカーテンが開いた
ユーリを背にバスタブに肩まで浸かってるマチが呟く
「傍にいてほしい……」
その言葉で理性が少し飛んだ気がした
服が濡れるのも気にせず、後ろからマチを抱きしめる
びくりと身体を震わすとギュッとユーリの手を握り締めた
よく見ると体の至る所が赤くなっている
「これって…」
そう言うとマチがガタガタと震えだし、涙が溢れ、勢いよく振り返るとユーリの首元に抱きついた
「…っこれ、消えないの…っ…洗っても洗っても…だめなの……ユーリどうしよう……っ」
泣き出すマチの身体を抱きしめる
「……私、汚いよね…」
その言葉で理性が壊れた