第2章 俺が消してあげるから(ユーリ夢)※裏
「ユーリ、少しよろしいですか?」
候補者探しのデートで外出しているマチが帰って来た時に出すお茶やお菓子の準備をしていると、突然ジルに呼ばれた
いつも毅然としているジルが少し慌てているような気がした
「何かありましたか?」
聞くと、ジルは眉を寄せた
「実はマチ様が公爵に襲われたと連絡が入りました」
「え、アラン様と一緒だったんじゃないんですか!?」
「詳しい話はまだ確認出来てませんが…どうやら公爵に嵌められたようです」
頭が真っ白になった
思わず持っていたクロスを握り締める
「至急こちらに向かうよう手配しましたので、マチ様の着替えを用意しといてください。間もなく着くと思います」
そう言って足早に部屋を出ていった
(マチ様………)
ーーーーーー
馬が嘶く声がマチの到着を知らせる
すぐ正面に向かうと、バンッと強引に扉を開ける音が響いた
「ーーっ!!マチ様!!」
俺は目を疑った
今朝綺麗に支度し、優しく笑って出掛けたマチ様が…
ドレスは汚れて所々裂け、結ってある髪は少し解け少し泥が付いていた
階段を駆け上がり俺にも目をくれず、部屋の方へ走っていった
「マチ!!」