第30章 誰が好きなの?
バタンっ!!
いきなり大きな音が部屋に響く
「!?」
海「きゃっ…」
びっくりしすぎて私も海砂ちゃんも固まっていると
月「おい!竜崎!」
ジャラジャラと鎖を鳴らし
竜崎が無言で部屋に入ってきた
後ろで引っ張られる月くんは迷惑そうに声を上げている
そんな月くんにも「あ!月〜♡」と嬉しそうな海砂ちゃんに感心していると不意に腕を引かれる
「わっ…と…竜崎??」
もちろん引っ張ったのは竜崎で
私は抱き締められてしまった
「りゅ…竜崎?どうしたの?」
平静を装ってはいるが、脈が早い
心臓が口から出そうとはよく言ったものだ
L「ちあき……好きです、あなたが誰を好きでも誰にも渡しません」
落ち着いた声で、しっかりと伝えられた気持ちに
「……私が好きなのは、ずっと竜崎だよ…」
私は泣きそうで消え入りそうな声でしか答えられなくて
でも竜崎の抱きしめる腕が強まったからちゃんと伝わったのはわかった