第29章 それは口実
そんな事を考えながらふと窓に目をやろうとしたら
チョコを頬張る竜崎と目が合う
(竜崎は飴よりチョコ派だよね)
でもこの間めっちゃ大きいペロペロキャンディを中々入らない自販機のお札みたいに何度も出し入れして舐めてるのを見かけたので
飴も食べはするんだろう
しかし、まだ竜崎と目が合っている、お互い特に用がないので話しかけはしない、でも逸らさないのは多分【逸らした方が負け】だと思っているからだ
私は別に負けてもいいんだけど、なんとなく意地悪したくなって目を逸らさない、竜崎はもちろん負けたくないから逸らさない
しばらくそのままでいると竜崎の携帯が鳴った
今捜査本部にいないのはワタリだけだからワタリだろう
竜崎は少し眉間にシワを寄せて私から視線を外し電話に出た
(勝っちゃった!)
ちょっと優越感に浸りながら仕事を再開した