第29章 それは口実
皆がカタカタと集中して作業をしている
私は二つ目の飴を手に取った、今度はオレンジ味だ
竜崎は通話が終わったようで、すっと立ち上がり私の横まで来た、左手にはチョコがたくさん乗っていて、右手が止まる事なくゆっくりと口に運んでいる
L「ちあき、それ、何味ですか?」
松田さんと同じ質問だ、竜崎は何味が欲しいんだろう?
「オレンジだよー」
すると目の前が肌色になる
「ん?え?」
肌色の正体は竜崎の右手で私の口から出ていた棒を攫う
「ちょ!私の飴!」
L「私も舐めたくなりました」
「だったら新しいのあるよ!」
L「少しでいいです、ただ、これ邪魔なので、どうぞ」
そういうと竜崎は見上げている私に何の躊躇いも無く、キスしてきた
口には竜崎の口に入っていたチョコの粒が送られてくる
「!!!!」
普通に他の人もいるんですが!!!
驚く私を尻目にチョコが口からなくなった竜崎は唇を離し飴を舐めだした
信じられないという目で見るとニコリと笑われ咄嗟に目を逸らす
L「私の勝ちですよ」
「え…」
凄く小さい声だったけど、確かに聞こえた
もしかしなくても【逸らしたら負け】を根に持っていたようだ
これから変な意地を張るのはよそう…
それにしても、皆反応が無いから、作業に集中して気付かなかったかな??そうだといいけど
夜(竜崎…(呆))
相(いちゃいちゃすんなよ!)
模(……)
松田(プリン味食べたい)
松田さん以外は気付いていたようです
_end_