第2章 蓮の芽
「この声って……!」
聞き覚えのある声に驚き、声の主の方へ振り返る。
「…久しぶりだな、蓮華。」
「ーー秋夜!!」
秋夜と呼ばれたその男は蓮華がこちらを向くとすぐに不敵な笑みを崩して柔らかい呆れるような笑みを浮かべる。
「お前、鈍くなったんじゃねぇか?俺の気配にまるで気づかないなんて…」
ぐしゃぐしゃと蓮華の頭を撫でる秋夜は、蓮華の兄であり親友であり唯一無二、1番の理解者だ。
「いや、お前はもともと気配探るの苦手だったっけな?…まぁ、でも、それにしても鈍いよなぁ…」
「…もうっ!やめてよっ!髪が崩れるじゃないか!」
ぶつぶつ言いながらも容赦なく頭を撫でる手を振り払いそう告げる。
「それに!なんでこんなところにいるのさ!!」
これが1番聞きたかったことだ。これのせいで暫く唖然とする羽目になってしまった。
「ん?んー、…………秘密?」
「は?別に隠さなくてもいいだろう!…あ、任務を遂行して来たのか?」
1番可能性があると思われる項目をあげると秋夜と目があった。
「…そうだよ。」
やっぱり。
「どんな任務だったんだ?」
「…聞きたいかい「いやいい。」
普通は任務内容などは極秘だ。しかも、こいつがにこにこ…というよりはにやにやしている。このような場合は大抵何も話してくれない、そう思い即答する。
「えーー。聞きたくないのかよー。」
「教える気はないだろうが。」
「まあ、そうだけどね〜♫」
ほらな。
「……でも、もうひとつの方なら教えてもいいかな。」