第2章 蓮の芽
果てなく続くかと思われた田園の横を通り過ぎると小さな村に入った。
明かりのついている家はなく、ただただ道を月明かり頼りに駆け抜ける。
目指すは江戸。
人がたくさんいる場所。
あともう少しで村を抜ける時、一陣の風がふき、同時に月が隠れる。
「!」
彼女が風に紛れた殺気に気付いたのと何かが目の前に落ちるのはほとんど同時だった。
「っっ!」
ほとんど反射で彼女は後ろへ跳んだ。
先ほどまでいた地面には何かが刺さっている。
確認するために目を凝らした直後、首元に刃が当てられたーー
ーーーーと思ったら近くにいた殺気が消えた。
「…?」
「…まだまだ、だなぁ」