第3章 蓮の葉
しばらく2人で空を見上げた。
「さて、そろそろ行くか、玻瑠?」
「…わかった」
そうして足を踏み出したその時。
ふわり、と嗅ぎなれた香りが2人の間に流れた。
「…秋夜」
「わかってる、どうする?」
…これは、血の匂いだ。
「行くぞ」
「りょーかい」
そうして俺達は走り出した。
音もなく、屋根を越え、風を切りながら駆け抜ける。
何十軒目か、屋根を越えてから秋夜は止まった。
「玻瑠…ここらだ」
俺も止まって辺りを窺うと先程よりもはっきりと匂いを感じた。
「──────!」
何だろうか…笑い声?
「秋夜、今の聞こえたか?」
「もちろん」
声の方向へ進むと、見えたのは、女の子が男に刀を振り上げられているところだった。