第3章 蓮の葉
そうして、俺たちは京の都にたどり着いた。
「しっかし、賑わってるねぇ」
確かに、江戸と同様に人が多い。
「さてと、まず何するんだ?聞き込みか?」
「そうだな…先ずは情報を集めたい。とりあえず酉の刻頃に…ああ、あの団子屋の前で」
手近にあった茶屋を指差せば了承の意が返ってくる。
「ん、了解。んじゃ、一応気をつけろよ」
「わかってる」
その言葉が合図かのように2人とも違う方向へ歩き出した。
「…しかし、迷わないようにしないとな」
京には仕事で数回来たことがあるが、しかしその程度だ。
このように歩き回ることなんてない。
…先ずは道を覚えることからかな。
まっすぐ進んで右に折れて…
数回似たようなことを繰り返せば川が見えた。
なんて川だろうな…なんて考えていると、橋の上に男が一人。
欄干に凭れて川下を見つめていた。
優しい目をした男だった。