第3章 蓮の葉
〜1時間前〜
「取り敢えず私たち…俺たちが探す奴のことだが、短髪で顎髭のある男、それと肌は浅黒く長身…ま、今もこのままなのかはわからないんだが、まぁ参考ぐらいにしてくれればいい」
「了解!てきとうに情報集めてくればいいんだろ?」
「あぁ、頼む」
それだけ言うと秋夜はニッと笑って行ってしまった。
そして、今に至る。
あのあと俺も宿を出て着替え、髪も低めに結い直す。
実を言うとあてがあるわけではない。
何も言わずに行ったところを見ると秋夜にはあてがあるのだろうか。
「どうするかなあ…」
足の向くままに歩いていると男とすれ違った。
…いや、姿こそ男だが顔つきは明らかに女だ。何か理由があってそうしているのだろうか。
そこまで考えてから自分も同じだと気がついた。
「…人のことは言えないか」
ふと彼女を見て何かが引っかかった。
だがそれが何かどうしても思い出せない。
あともう少しでそれが何か思い出せる気がするのだが…
そんなことを考えている間に彼女は行ってしまった。
「…何だったんだ」
それから少しの間彼女のいなくなったその場所を見つめていた。