Let's play our music!【うた☆プリ】
第13章 求めたもの
そして、春歌の後ろから神宮寺さんに背を押されておずおずとやってきた人物。
「……」
「…っ、華…!!」
その人…華に思い切り抱きついた。
「ごめん…ありがとう、華…!」
全部全部、外で皆は聞いていたらしい。
華の目からは涙が溢れていた。
「バカ…馬鹿だよは。相談1つしてくれないんだもん…!」
抱き返してくれる華は温かい。
それは私が欲しくてたまらなかったもの。
「…うん、たくさん話したいことがある。華に相談したいこともある…聞いてくれる?」
「もちろんだよ…っ」
私がこの学園で見つけた、かけがえのないもの。
この人達がいれば、私は戦える。
1人だと辛いものも、2人なら耐えられる。
2人が無理でも、3人ならどうにかなる。
彼らのことをもっと知りたい。
そして、私のことを知ってほしい。
そうやって自分をさらけ出せたら、私はもっと変われる気がする。
もっともっと、何かを表現できる人間へ。
「皆、ありがとう…」
華から離れ、皆の方に向かって深々と頭を下げた。
感謝してもしきれない。
私の為にわざわざ来てくれたこの人達に。
私のことを仲間と呼んでくれたこの人達に。
「皆は、私の大切な…大切な仲間だよ…!」
たとえ他の何を失っても、この人達だけは失いたくない。
そんな思いを胸に、今度は私から彼らの輪へと飛び込んだ。