Let's play our music!【うた☆プリ】
第13章 求めたもの
その夜、遅くまで華と話した。
華には私のことを、誰よりも先に知って欲しかった。
早乙女学園に来た経緯から、神宮寺さんへの想いまで。
それは本当に長い話だったが、彼女はずっと真剣な眼差しで聞いてくれた。
「私…神宮寺さんが好きだよ」
宣言してしまえば、心は随分と軽くなった。
華の顔を見てみると、彼女自身も何か楽になったような安堵の表情を浮かべていて。
最初から言っておけば、2人して苦しくならなくてもすんだのかと自身の選択に後悔をした。
ごめんね、ありがとう。
何度告げても言い足りない、この言葉を口にする度、華は首を振る。
「教えてくれてありがとう、。私は、全部知っても変わらず、あなたが大好きだよ」
聞き終えた華の抱擁と言葉が、私の中にあった壁を完全に破壊した。
「、まだ寝ないの?」
「うん…何だか、すごく曲を作りたいの」
華と話し終えたのも随分な時間だった。
でもそうした後、なんだか物凄く曲で皆に伝えたくなったのだ。
そして、私のことを知らないクラスメイト達へ、私という人を伝えようと思った。
1度思いつくともういてもたってもいられなくて、机にかじりついた。
曲も、詞も、すべて考えた。
曲の出来なんてどうでもいい、曲に載せたい思いをそのまま綴る。
納得のいくものが出来たのは、日が昇りかけた頃。
「朝だぁ…」
眩しい陽の光にホッと息をつく。
途端に体から力が抜けて、強烈な眠気に襲われた。
フラフラとした足取りでベッドに飛び込む。
寝転がった後のことなど記憶に残らぬほど、すぐに深い意識の底へと落ちた。