Let's play our music!【うた☆プリ】
第13章 求めたもの
仲間。
その言葉に大きく頷く彼らを見た時、とてつもない安心感に包まれた。
未だに目を見開いたままでいるだろう私の前に、1人、また1人と言葉を掛けに歩み寄ってくる。
「翔、友ちゃん…」
「水臭いぜ!1人で抱え込むなってあの時言ったろ?」
「そうだよ!もう、私達にも相談してくれないなんて…溜め込みすぎにもほどがあるんだから」
「一十木さん、四ノ宮さん…」
「あんまり話したことはないけどさ、俺は君のこと、友達だと思ってるよ?」
「は僕のた〜いせつなピヨちゃん仲間です!!また一緒にお買い物しましょうね」
「一ノ瀬さん、神宮寺さん…」
「あなたという人は…無茶をする人ですね」
「レディ…パーティーの時じゃなくても、俺は君のそばにいるよ」
皆の言葉の1つ1つが星のように煌めいていた。
1つ1つの言葉を聞く度に、怖かった何かが薄れていくのが分かった。
「ちゃん」
「春歌…」
「覚えてますか?以前私の悪口が黒板に書かれていた時のこと」
「…うん」
「見つけた一十木くんと友ちゃんが一生懸命消してくれていた時に、私、端の方に違う言葉が書かれているのを見つけたの……あれは、ちゃんが書いてくれたんだよね」
「…」
「本当に嬉しかった、心強かった…だから、ちゃん。あなたにも同じ言葉を届けたい」
皆より前に出て、私の目の前に来た春歌が手を包み込む。
優しくて、温かい感覚に目を細めて彼女の方を見ると、満面の笑みで春歌は言った。
「"大丈夫、あなたの仲間はそばにいるよ"。
………ココにいるよ、ちゃん」
今まで、人に弱みを見せようとなんて思ったことなかった。
そんな馴れ合いはいらないとさえ思っていた。
でも、それは嘘だったのだろう。
私は心の底ではこんな人達を望んでいたんだ。
嬉しい時は笑い合い、辛い時は支え合う、そんな存在を。
だから、ここに来たんだ。
私はここに、仲間を求めてきたんだ。
なぜかその時、そう確信した。