Let's play our music!【うた☆プリ】
第13章 求めたもの
「、ちょっといい?」
放課後、帰り支度をしていると華に声をかけられた。
同室なんだから部屋で言えば良いのにと思うも、彼女の真剣な瞳に口をつぐむ。
「いいよ…何?」
「ここじゃちょっと…場所、変えよ」
彼女が改まってする話に全く心当たりがない。
どうしたというのだろう。
華の後に続いて教室を出る。
後ろから刺さる他の生徒の視線がやけに痛かった。
「…ここなら誰も来ないかな」
「誰も来ないとこなら部屋にすればいいのに」
「ん〜、部屋じゃちょっとね」
2人で来たのは使われていないレッスン室。
埃をかぶったピアノをなぞると、どれだけ使われていないかが容易に分かった。
「で?話って何?」
余程言いづらいことなのだろう。
さっきから口を開いたり閉じたりして迷っていたようだったから私から話題を振る。
この時期にこうやってされる話題なら、歩いている間に予想がついていた。
クラスメイトに、私と関わるなと言われたのではないかと。
それで華がどんな結論を出したのか分からないけど、それを伝えたかったんだろうと。
しかし、彼女から放たれた言葉は予想の斜め上をいく。
「はさ…レンくんのことどう思ってるの?」
「……え?」
神宮寺さん?
その名前が出た瞬間、私の心が波を立ててざわめいた。