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Let's play our music!【うた☆プリ】

第11章 パーティーにて



「可愛い!」

「ありがとう…落ち着かないけど」


衣装を着た私を見た華が褒めてくれたが、恥ずかしさに変わりない。
こんなところクラスメイトに見られないことだけが救いだった。







「華、差し入れ……レディ?」

「っ!?!?神宮寺、さん…?」







そんな救いもあっさりと消えてしまったが。



「な、なんでここに…華!」

「え?レンくんも来るって言ったでしょ、買い物の時」


言われてみればそんな気もする。
彼が来るから華は張り切って衣装を選んでいたのではなかったか。

でも、だからって。
なぜ今来てしまった。

神宮寺さんとちゃんと言葉を交わすのはあの時彼の家に運ばれて以来だ。

つまり彼とキスをしたあの時からということになるわけで…。



「どしたの?、顔赤いけど」

「…別に…」


思い出したら頰が熱くなってしまった私に華が首をかしげる。

ぼんやりした返事でごまかしたものの、後ろめたい気持ちがあるのには変わりなかった。

ちらりと神宮寺さんを見ると、彼は気にしていないように微笑んでいて、その真意はわからない。


「その服似合うね、可愛いよ」

「ありがとう」


けれどさらりとこういった言葉を言えるあたり、この間の件は彼の中で整理がついているのだろう。
ならば私もそれに習っていつも通りに接しなければ。


「神宮寺さんは、どうしてここに?」

「華に差し入れを頼まれててね。彼女の好きなマカロン」

「ありがとう!さっすがレンくん、分かってる〜」


神宮寺さんが差し出した紙袋を嬉しそうに受け取る華。
私の好きなお店のやつ!とはしゃぐ彼女を柔らかい笑顔で見守る彼を見ると、何かがちくりと胸を刺した。

神宮寺さん、華の好きなお菓子を知ってるんだ。

付き合いが長いらしいし当然だと思っても心のどこかが納得していない。



私、知らない間にこんなに……。







こっそり2人が見えないように顔を逸らした。
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