Let's play our music!【うた☆プリ】
第7章 本当の自分
「翔!」
「!悪いな、こんなとこまで」
「ううん、大丈夫」
翔と待ち合わせたのはある雑貨店の前。
彼の興味を引くとも思えない可愛らしい小物の並ぶそこに、一体何の用かと首を傾げたが、どうやら理由は予期せぬ同伴者にあったようだ。
「えと、四ノ宮さん?」
「あぁ!こんにちは、!」
「…私のことだよね?」
「はい!あなたはって感じがしますから!」
そこにいたのは四ノ宮那月さん。
Aクラスで春歌たちのクラスメートの人だ。
ふわふわした雰囲気でどこか人を和ませる、そんな彼の柔らかな物腰が好きだった。
突然あだ名をつけられたことには驚いたが。
「那月も出かけるってうるさくってさ〜、ここまで連れて来ちまったけど帰りそうにねぇし…」
「いいよ、曲はまた今度話そう?私も四ノ宮さんと話してみたかったし、3人でどこか行こうよ」
「悪いな、、サンキュ」
翔に行ったことは嘘じゃなかった。
曲について話せないのは残念ではあったが、私の心配事もひとまずは無くなって作曲に集中できる。
だからせっかくの休日だし、翔には楽しんで欲しかった。
そんな思いから出した案だったのだが、
この選択は、後に私に大きな影響を与えることになると、まだ私は知らなかった。