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Let's play our music!【うた☆プリ】

第5章 信じてる



部屋に行こう。
放課後、静かにそう呟いた華に大人しく着いて行く。

自分のベッドに座って息をついた彼女は、神宮寺レンという人について話し始めた。




神宮寺レン、神宮寺財閥の御曹司。
親同士の関係で聖川真斗とは幼少期からの知り合いらしい。
幼い頃は仲が良く、共にパーティーを抜け出したりしたそうだ。

しかし成長し、立場を意識するようになってからは疎遠に。
聖川真斗が自ら音楽を学びたいと望んだのに対し、神宮寺レンは長男である兄に言われ、神宮寺家の広告塔となるために入学をした。




「…そっか…」
「…レンくん、ほんとに学園辞めちゃうかもしれない」

ベッドで体育座りをし、俯いて呟く華はひどく寂しそうで。
神宮寺さんを昔から知っているからこそ辛いのだろう。

その気持ちを少しでも癒せるように、そっと抱きしめた。

「ありがと、」
「…ううん」
「課題で悩んでるのにごめんね?」
「うっ…うん、平気」

そういえばすっかり忘れていた。

今回出されたテーマに沿った作曲。
私はこういったものが苦手だった。

全て1から作り上げる方が好きなのだ。
テーマを決めてしまうとそればかりを意識してしまい、どうしてもありきたりなものになってしまう。
テーマ、コンセプトに沿った作曲など芸能界では当たり前の仕事なのだから、出来るようにしないといけない。
それはわかっているのだが。

今回の課題で皆を見返そう。

その決意が私にプレッシャーを与えていて、焦りを呼んでいた。
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