Let's play our music!【うた☆プリ】
第26章 さぁ、奏でよう
麗奈と別れて、まずは食べ物を食べようとテーブルに近付く。
様々な料理が並んでいてどれを食べるか決められない私の後ろから、誰かが突然声をかけてきた。
「!」
「わっ?!…音也、どうしたの?」
「君の姿が見えたから、話がしたくて来たんだ!一緒に食べよう!」
「うんっ、もちろん」
声の主は音也。
見慣れた笑顔と弾んだ声で私の隣に並んだ彼と、料理を選んでお皿に乗せた。
立食式のパーティーだから、必然的に私たちも立って食事をすることになる。
「…美味しいっ!」
「ほんと、凄く美味しい!、これオススメだよ!」
料理に舌鼓を打って、互いに料理を勧めあって。
お腹いっぱいになってきちゃったよという音也の言葉で一旦食事は止めにして、2人で壁にもたれながら話をすることにした。
「それにしても驚いたよ、6人でデビューしちゃうなんて」
「へへっ、七海のお蔭なんだ。七海が、俺たち皆と組みたいって言ってくれたから、ST☆RISHが生まれた」
「春歌が…」
音也の話によると、春歌は音也やレン、真斗や那月、トキヤや翔の面々からパートナーを申し込まれたらしい。
そんな彼女が選んだ選択が、これだったということだ。
「最初は俺だけを選んでくれなかったことにがっかりもしたけど…俺、これで良かったと思ってる。皆と歌うの凄く楽しいんだ。きっと、どこまでも行けるって思える」
「音也…」
「それにね、これで、俺の小さな夢もまた叶うんだ」
「夢?」
どこまでも正直に語る音也。
そんな彼の夢を聞くと、彼は太陽のような笑顔を浮かべて言った。
「憧れだった、君と歌うこと」
覚えてる?音也のその問いに私は頷く。
私を憧れだと言ってくれた音也。私の歌で元気が出たと言ってくれた初めての人。
「…そうだね。これで、音也と一緒に歌うことも出来る」
「今から凄く楽しみだよ。俺と君。どんな歌が作れるかな」
「私たちが、音也が望むなら…何だって作れるよ!」
「うん、そうだね!!」
何でも出来る。そう望むなら。
そう言って、音也と笑い合った。
音也、誰よりも明るく皆を照らす太陽のような人。
どうかこれからも、その光を失わないで。