第25章 信じること

『今宵、新たに活動を始めるグループの紹介の前に、この子をまず紹介するわよ〜！』



今回司会を担当してくれた月宮先生の声がマイクに乗って会場内に響く。
ざわつく会場の様子が伝わってきて思わず身震いしてしまうが、そこは拳を強く握って堪えた。


大丈夫、私にはレンがいる。
麗奈がいる。
皆がいる。



『それじゃあ、早速登場してもらいましょっ！今夜復活を遂げる、煌めきのアイドル、ちゃん！！』






「行ってくるね」


既に袖に控えていたQUARTET NIGHTの皆さんや麗奈、スタッフの方々へ手を振って。

ステージに踏み出した。
















会場は思った通りどよめく。

私を知ってる人、知らない人、好きな人、嫌いな人。
たくさんの人がざわめいて、好奇の視線が向けられた。


「皆さん、お久しぶりです。または初めまして。と申します」


名乗るとさらに会場はざわつく。



「やっぱり！」

「え、あの人引退したんじゃないの？」

「どうしてここに？」



この人たちが、これから言うことを受け入れてくれるかどうか。

それは、今からの私の歌にかかっている。


大きく息を吸った。


「私はここに帰ってきました…アイドルとして。今ここで、宣言します。はアイドル活動を再開すると！」


どよめきは一層大きくなった。
その瞬間、麗奈と一緒に作り上げた私の新しい曲のイントロか流れ始める。


心を支配していた緊張はいつの間にか消えていた。

今あるのは、ここで歌える幸せのみ。


「聞いて下さい、"RESTART"」