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Let's play our music!【うた☆プリ】

第21章 QUARTET NIGHT




凄い場を用意されたものだ。
私ならやれるいうと期待なのか、この程度乗り越えられないならこの業界から消え去れという試練なのか。

社長の意図は読みきれないものの、そのステージが私にとって重大なものを含んでいることだけは理解できる。



「あなたの復活の曲も私が作る。それで合同合宿を組むことになったの」

「お互い刺激にもなるだろうっていうお節介もあるけどね」

「ちっ…」


美風さん、黒崎さんの様子を見るに彼らは合宿に不満なようだ。
私がいることが不満なのか、他人がいることが不満なのかは分からないが。


「まぁ、仲良くいこうよ。特に僕らはこれからグループなんだから」

「承諾した覚えはないがな」

「早乙女の命令だから、ボクは歌うだけだよ」

「2人とも冷たーい…」


相性は良くなさそうなこの4人組の先行きは不安だ。
ため息をつく寿さんに同情を禁じ得なかった。


「早速、コンセプトでも決めましょうか。QUARTET NIGHTの皆さん?」


その空気を変えるためか、麗奈が仕事の話を出す。

仕事となると本気になる彼らは、途端に真剣な目つきとなって椅子に座りなおした。



「今回お披露目は2曲作ることになってるわ、それぞれ色の違うものに仕上げてほしいと社長には言われてる。あなた達のコンセプトを聞かせて頂戴」


そういえば、麗奈の仕事風景を見るのは初めてだ。
見慣れない真面目な顔にふとそんなことを思い出す。

学園に通い、作曲について様々なことを学んできた私だが、麗奈はおそらく独学。
こうして見ても、彼女はなぜあんなに心揺さぶる曲が作れるのだろう。

もしかしたら私が無知だっただけで、初めは彼女の曲も見向きもされなかったのだろうか。


そんなことを思っている横で、彼らの話し合いは続く。
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