Let's play our music!【うた☆プリ】
第21章 QUARTET NIGHT
広すぎる別荘の扉を何のためらいもなく開ける麗奈。
鍵を開ける動作は見えなかったので、本当に他にも誰かがいるんだろう。
そしてその誰かは既に来ているのだ。
え、誰?
まさか音也たちの訳ないし、林檎先生がいるとも思えない。
実はここにレイジングのアイドルが、なんてことも考えにくい。
とすると私の知らない人か。
でも特に説明がない辺りまるっきり私の知らない人間というわけでもなさそうだ。
何はともあれ来てしまったからには誰がいようと帰ることはできない。
麗奈の後に続いて中に入り、まずは荷物を置きに自室となる部屋に向かうことにした。
「麗奈」
「何?」
「来てる人って…私の知ってる人?」
「…まぁ、知ってるんじゃない?あ、ここあなたの部屋ね」
「あ、はい…」
駄目元で聞いてみたもののやっぱり教えてくれなかった。
こういう時の彼女は大抵私の反応を見て面白がりたい時だと長年の勘が告げている。
と、いうことは知ってる人なのだ。
荷物を解くのは後回しにして、部屋の確認と着替えだけ済ませると広間へと案内される。
「、あなたが音楽と向き合う上で、きっと良い刺激となるわ」
麗奈の一言と共に開け放たれたドア。
そこにいたのは_____。