Let's play our music!【うた☆プリ】
第19章 転機
「確かにあなたは迷ってる、それはきっと音に現れて曲の妨げになるでしょうね」
私の問いに答えたのは、麗奈。
先ほどから表情を変えることなくそこに佇んでいた彼女はゆっくり歩いて社長の隣に並ぶと、正面から私を見据える。
「じゃあどうして」
「話は最後まで聞いてみるものよ、。何も社長は今すぐ入れなんて言ってないわ」
「…どういうこと?」
「それはミーが説明しまショウ!!」
意味が分かるようで分からない。
首をかしげる私に説明する役は麗奈から社長へと変わる。
2人が私に何を望んでいるのか。
それを知りたいから、ただ黙って話を聞くことにした。
「ミーは最初からユーはアイドル向きだと考えてマーシタ!バット、ユーの学園での活躍を見て心がチェーンジ!したということなのなのよ!」
「……はぁ」
「ユーの夢がまだ作曲家であるというのならぁ、その思いを見せてちょーだいッ!!そのためにっっ」
「……?」
「ユーにはMs.睦月と一緒に合宿に行ってほしいのでっす!」
つまり、社長の話を総合すると。
私のアイドルとしての力を見込んだ社長はシャイニング事務所にスカウトしようと考えていた。
しかし早乙女学園に入学した私の希望は作曲家で、それは彼の予定にはないもの。
初めは早々に諦めさせようとしていたものの、私の曲や成績を知った社長は少し考えを変える。
同時に私の迷いを知った彼は、私の真価を問うために私にある課題を課すことにした。
それが、麗奈との合宿というわけだ。