• テキストサイズ

Let's play our music!【うた☆プリ】

第18章 ペア



「じゃあ、聖川さんも春歌に申し込むんだね」

「そうだな…あいつと共に音楽を奏でたい、そう思う」



春歌、あなたが羨ましいよ。
こんなにもたくさんの人に思われて。

冷静になった頭で考えればこんなにも簡単に分かること。
春歌の曲は、アイドルを魅了する。

私のものより…。









「」

「…」

「…いや、。俺はお前を尊敬している」

「突然何?」


自身への絶望に苛まれる中、聖川さんが口を開く。
言い直した呼び名の理由さえ分からず、私は聞き返すことしかできない。


「お前ほど音楽を素直に表現できる人間を俺は見たことがない。あの一ノ瀬より音楽になれるお前は…」

「アイドル向きだって言いたいの?」

「辛いことかもしれないが、俺はそう思う。神宮寺も、きっとそう思って…」

「ありがと、真斗。言いづらいことを言ってくれて」


やや強引に彼の言葉を遮る。
彼なりに心配してくれた名前呼びに応えるものの、その言葉をそのまま受け入れることは今の私には難しくて。


「歌うことは好き。曲を作ることも好き。この学園に来て、私はそのどちらも同じくらい好きなことがわかった」

「…」

「でも…でもね。今は何のために歌えばいいのか、曲を作ればいいのか分からなくなっちゃった」



私らしく。

気付けたままに曲を作って、評価も得たはずなのに。

私の曲はアイドルの心惹くものじゃないという。




じゃあ、正解ってなんなの。



/ 200ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp