Let's play our music!【うた☆プリ】
第18章 ペア
「」
「麗奈…?どうしてここに」
「あなたに話があってきたの。ペアの相手、決まらないんですって?」
目を開けると、そこには麗奈がいた。
なぜ短時間でここに来れたのか、仕事はどうしたのか、聞きたいことはたくさんあったのに、彼女に指で止められる。
且つグサリと刺さる言葉を言われて、私は言葉を飲んだ。
「それが…何?」
「私の読みが正しかったってことが証明されたわねって話よ」
「…読み?」
私が眠るベッドに腰掛けて、頭を撫でてくれるその手は優しいけれど、その瞳は暗く、言葉はどこか棘がある。
彼女は…何が言いたい。
「はっきり言ってよ、何を伝えにここにきたの?」
「…あなたに作曲家の才能はない」
「!!」
「分かるでしょ?アイドルが魅力を感じない曲作って何になるっていうの」
麗奈の言葉は正論だ。
言い返す言葉もなく、逃れるようにうつ伏せになった。
それでも彼女は追撃するように口を開き続ける。
「いい加減、認めなさいよ。あなたはあの七海春歌って子に負けたのよ…作曲家としてね」
「そんなの認めてる…自分が1番なんて思っちゃいないよ」
「そうかしら。神宮寺レンを取られる気がさらさらなかったようだけど?」
「…っ!」
人間は本当のことを言われると1番腹が立つのだとどこかで聞いたが、正しかったらしい。
図星を突かれてカッと頭に血が上った。
そのまま本能的に起き上がり麗奈に向かって手を振り上げる。
「帰って来なさい、。学園をやめて」
「は…?」
その手を避け、代わりに彼女が告げた勧誘はどんな剣より鋭く私を貫いた。
学園を、辞める。
それはつまり、作曲家を諦めるということ。
麗奈のところに戻る。
それはつまり、アイドルに専念するということ。
「早乙女には言っておいてあげるから」
「…嫌」
そんなの嫌だ。
一生後悔するに決まっている。
「今までよく頑張ったわ、それは誰もが認めている」
もう終わりみたいに言わないで。
「だから、帰ってきなさい」
あなたに私のことを決めて欲しくない。
「あなたが輝く場は私のそばよ」
やめて!!!
「嫌…!!」
「!!!」